『おねがい☆ティーチャー』は本当に名作だったのか。

僕は《停滞》している――

この作品は「宇宙人と地球人との恋愛を描いたラブコメディ」とされている。

英語での題は『 Please Teacher! 』であり、

略称は「おねてぃ」である。

人生に絶望した末に自殺した姉を目の当たりにした主人公・草薙 桂は、

精神的なショックで3年ほど寝込んでしまう。

主人公は、精神や肉体組織が一時的に仮死状態になってしまう、

世にも珍しい「停滞」という病気を患ってしまったのだ。

長らく停滞していたため、

高校1年生なのに、実年齢は結婚が可能な 18 歳なのである。

宇宙人と地球人のハーフである、風見 みずほが宇宙からやってきて……。

自殺し「止まってしまった」姉と、

病気ながらも「止まらず前に進もうとする」主人公は対比の構造になっている。

おねてぃは、かれこれ16年前ぐらいに見た。

ストーリーは凡庸で面白いとは思わない。

デジタル彩色の作品であるが、過渡期かつ黎明期の作品であり、

当時にしては絵が綺麗だったからオタクにウケたのだろう^ー^

背景美術やキャラクターのクオリティ、

思春期の男子に向けたストーリーでキモオタの心を鷲掴みにしたのだと思われる。

風光明媚な長野県を舞台にした作品で、聖地巡礼(舞台訪問のこと)の魁になった作品でもある。

木崎湖には、おねてぃサロンというものもあるらしい。

冷静に考えなくても、

『おねがい☆ティーチャー』より『おねがい☆ツインズ(おね2)』の方が面白い。

作品のおもしろさを順に並べると、

『おねがい☆ツインズ』≧『あの夏で待ってる』≧『おねがい☆ティーチャー』

になると思う。

I've が音楽を担当していて、オープニングの『Shooting Star』は有名である。

俺っちは『 LOVE A RIDDLE 』も好きである。

この時間だけをガラスの箱に閉じ込めて、ずっと眺めていれたらいいのに。

優しい君の笑顔、不安で曇らせたくないから、

泣き出したくなる時には、この夜空を思い出すよ。

JASRAC : 098-8175-1

TVアニメ版の『住めば都のコスモス荘』に、

みずほ先生が一瞬だけ出てくるらしい。

1話から2話

風見みずほが宇宙からやってくる。

UFO 目撃騒動が起こる。

風見みずほが主人公のクラスの担任に。

みずほの正体が宇宙人だと主人公は知ってしまう。

宇宙人ならではの装置で体育館倉庫にワープするが、

鍵がかかっていて……。

体育館倉庫にいるところを校長に見つかってしまう。

その場しのぎの言い訳として「俺は先生の、みずほの夫」だと主人公はいう。

3話から4話

  • 「地球人」と「宇宙人」との恋
  • 「教諭」と「生徒」との恋
  • 「止まる」と「進む」

……テーマがどんどん挙がってきた。

主人公とみずほと同居生活が始まる。

主人公の友だちがやってきて……。

みずほ先生は、かなりヤバイやつだが、

まともなやつを順に並べると、

水澄 楓 ≧ 森野 苺 ≧ 縁川 小石

になる。

緑川とデートをする。

5話

主人公とみずほ先生は、ハネムーンで沖縄に行く。

また、主人公の友だちも、金持ちの山田先生の引率で沖縄に来ていた。

6話から7話

みずほの妹や母親がやってくる。

あまり記憶にない。

Reminiscence ではカットされていたと思う。

8話

縁川が主人公に告白する。

9話

森野も「停滞」の患者だったと判明する(ネタバレ)。

そして、主人公も同じ停滞を患っていると森野に打ち明ける。

森野は、6年も停滞していて戸籍上の年齢は21歳だったのだ(主人公は3年停滞していた)。

森野は停滞の病気になってから少しシニカルになったという。

みずほに同居をやめるよういう。

???「俺は、森野を停滞させたくない」

主人公は縁川に電話をかける。

10話

縁川と主人公は交際を始める。

森野を停滞させたくないからだ。

ぶっちゃけ、宇宙人のみずほ先生との恋なんかより、

森野と主人公の友情に泣いたんだが……?

しかし、森野の家に行ったところを、縁川に見られてしまう。

縁川は勘違いする。

森野は縁川に自身の病気のことを話す。

主人公は停滞が起きてしまって……。

11話

主人公は夢を見る。

自殺をしてしまった姉が精神世界に現れる。

現代社会のアンビバレンス……人間ひいては世界に絶望してしまった厭世観 MAX の姉・草薙こずえが問いかける。

草薙 こずえ「わたしは、そんな矛盾に満ちた世界なんかいらない。喜びを感じながら私は止まる。現実から超越するの。何も求めず悲しみもなく、平安でいられる場所へ。あなたには私と同じ素質がある……、旅立てる!」

これらの台詞は、エヴァンゲリオンの影響か。

みずほ先生が精神世界に現れ、主人公を救うのである。

「結婚は幸せなものだ」というステレオタイプなゴリ押しの主張がヤバい。

「でも、もしそうなら、あなたと暮らすのなら……きっと楽しいんでしょうね」

「……」

「違うんですか」

「楽しいこともあるわよ。でも、悲しいことや辛いこともあるし喧嘩だってする。泣きたい気分になる時もあるわ。私もあなたも」

「それでも結婚する?」

「するわ」

「なぜ?」

「幸せだからよ」

「悲しいことがあるのに?」

「ええ」

「泣きたいこともあるのに?」

「ええ」

「不幸になるかもしれない……」

「他人から見て不幸だと思われても、私にとっては幸せかもしれない」

「……」

「私が泣いても実は嬉しいのかもしれない。夕暮れは寂しいものだって、誰もが感じると思うわ……。私もそう思うし、あなたもそうかもしれない。でもね、あなたといる夕暮れは私にとって幸せ以外の何者でもないの。だって、あなたといるから……あなたと……」

※エヴァの雨の日は憂鬱のパクリかな^ー^

思わず目が点になってしまったナニコレ。

理路整然としていないんだが。

「そうか……この『停滞』は、僕の弱さだ。悲しみたくない僕が作り出した僕の弱さだったんだ」

「でも、現実では不幸が待っている」

「そうかもしれない……でも違うかもしれない」

「宇宙が永遠のように感じられるのは、僕の目に止まっているように見えるからで……、でも、宇宙は絶えず膨張し続けている。自分の中にある世界が全てじゃない」

「けい……」

「ごめん。僕は『永遠』なんかいらない。『有限』で構わない」

「限りある世界の中で僕は生きるから、今を生きるから。ごめんね」

「けい……待って、けい!」

「君は旅立つために今を捨てたかもしれない」

「けい……」

「だったら、僕は今のためにここを捨てる」

「……」

「さよなら……姉さん」

精神世界から現実に戻ったら、みずほのことを忘れていた。

みずほが主人公たちの記憶を消したからだ。

12話(最終回)

1年後、みずほと再会する。

みずほがまた地球にやってきたのだ。

主人公は記憶を取り戻し、

物語はハッピーエンドで幕が下りる。

13話

OVA である。

見る必要はとくにない。

縁川が技術の山田先生とつきあっていることなどがわかる。

まとめ

みずほ先生の恋なんかより、

森野と主人公の友情に感涙した。

やはりキモオタのいうことはあてにならない。

キモオタのいうことは話半分に聞くのが良さそうだ。

名作とか言っているオタクには注意しよう。

オタクの主張にはいくつもの誤りや綻びがあるのだ。

古いアニメを発掘しようとしている人は時代背景を押さえるだけでなく、

多面的に見るようにしよう。

ちなみに、おねティより続編のツインズの方がオススメ。

タイトルとURLをコピーしました