1分でわかる青ブタ 『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』

牧之原翔子「知ってますか? 人の目の高さから見える水平線までの距離は、約4キロメートルなんですよ」
主人公・咲太「……(秒5のパクリかな。楚々なメッスなのに池沼ンゴねえ)」

――現在
主人公・咲太「ワイにだけバニーガールの先輩が見えるンゴねえ。ワイも妹みたいに解離性の池沼になったのかな? 理系の友達に訊いてみるやんけ」

咲太「あのさ、人が見えなくなることってあると思うか?」

理系の友達・双葉理央「観測理論というものがある。箱の中の猫の話くらい、聞いたことがあるでしょ。シュレディンガーの猫

咲太「……(ノイマンの『観測者の意識において波束は収束する』といった説を批判するために提唱した思考実験で、アインシュタインとの文通で知ったんだかアインシュタインが考えたか、どっちだっけな……ンゴ……まっ言いたいことは言わせておかないとかわいそうだから言わせておこwwww)」

双葉理央「人間は見たいようにしか世の中を見ていない。真実よりも、噂が優先される。梓川は箱の猫で、その他、全生徒が観測者なの」

咲太「……(ディスタンクシオン……いやwwww実存主義じゃないかな)」

咲太「とりあえず女子高生をDVするンゴwwwwwボボ人形なぐりてええええええええwwwwwww」

咲太「世界の、校庭の中心で愛を叫ぶンゴwwwwwwwwwwww」
咲太「桜島麻衣先輩のことがっ! 桜島麻衣先輩のことが、好きだ! 麻衣さん、好きだあー! 要するにさあ! 麻衣さん、大好きだあああー!」
咲太「ンゴwwww徹夜するンゴwwwww意味もなく徹夜するンゴwwwww寝てないアピールwwwww寝てないアピールwwwwwンゴwwwwwww」
咲太「ただ意味もなく徹夜しているだけじゃねwwwwまっwwwいっかwww」
麻衣「あっ」
咲太「明日が来ないンゴねえ。毎日がループしているンゴねえ。これじゃ麻衣さんと付き合えないンゴwwwww」
双葉理央「ラプラスの悪魔って聞いたことない?」
咲太「あいにく、悪魔の知り合いはいないな(いや、この場合は無限の猿定理だと思うけど)」
咲太「てか、犯人はアイツ。DV した女子高生・古賀」
双葉理央「ンゴww量子もつれww」
咲太「古賀が何度サイコロを振り直しても、僕のキモチは変わらないンゴwwwwwww」
古賀「100回やっても? 1000回やっても? 先輩のことが好きンゴwwwwwwww」
咲太「ンゴ」
古賀「1万回やっても?」
咲太「同じことを繰り返しても変わらないンゴwwwwwww同じことを繰り返し行い異なった結果を期待することは池沼ンゴwwwwww」
古賀「キモチは変わるよ。繰り返した分だけ、積み重なっていく……積み重なっていた……」
咲太「よくがんばったなwwwほんとよくがんばったww(よく知らねえけどwww)」
古賀「うわああああん」
双葉理央「分身しちゃったンゴwwwwドッペルゲンガー……ンゴ」
双葉理央「国見のことが好きンゴwwwwwwでも、アイツには彼女がいるンゴ」
国見の彼女「アイツの持ち物をあさったんだけど、アイツの裏アカ、マジやばくね?」
咲太「オマエ、変わった人の心配の仕方するんだな(てか、双葉も池沼なのかな^-^)」
咲太「知り合いの女子アナにきくンゴwww」
知り合いの女子アナ「イマドキの女子高生の生態について……とりあえず、自撮りして裏アカにアップしちゃうの」
咲太「……(双葉も池沼……ワイも池沼。マッマも池沼で、まともなのはパッパだけンゴw)」
咲太「オマエ、自撮りしてたんだなw」
双葉「やめられないンゴwwwワイも池沼ンゴwwww」
咲太「とりあえず、国見も誘ってみんなで花火するンゴwwwww」
咲太「2時半回ってるンゴねぇwwwwまっwwwwアイツ馬鹿だから出るやろwwwwwwwwww」
スマホさん「ドッツッツツツツツツウッツウッツ」
国見「うるさいンゴねえ。とりあえず無視しよ」
スマホさん「ドドドドドドッドドオドツツツツ」
国見「……」
スマホさん「ドドドドドドッドドオドツツツツ」
国見「……」
スマホさん「ドドドドドドッドドオドツツツツ」
国見「……」
スマホさん「ドドドドドドッドドオドツツツツ」
国見「……」
スマホさん「ドドドドドドッドドオドツツツツ」
国見「んー、双葉? 咲太かよwwwww」
咲太「みんなでwwwwwみんなでwwwwファイヤーワークスwwwww」
国見「ンゴ」
国見「1億2wwwww引くwwwwww1億はwwwww」
双葉「2」
――パシャとシャッターが落ちる気持ちのいい音が砂浜に響いた。
咲太「あっ……ドッペル消えたンゴwwwwww」
麻衣「妹の、のどかと入れ替わっちゃったの。妹はアイドル」
のどか「お姉ちゃんなんて大っ嫌い」
麻衣「そう、よかった」
のどか「え?」
麻衣「わたしものどかのこと嫌いだったからwwwww先に人のこと『大嫌い』って言ったくせにwwwwなんでのどかが驚くのよwwwww」
咲太「麻衣さん家の戸棚あさるやんけwwwwあっwwwみーつけたwwwwみつーけたwwwセンセイにwwwwいっちゃおwwwww」
咲太「麻衣さんはオマエの手紙を大事にとっているンゴよ」
のどか「……」
――どれも、おねえちゃんは、すごくかっこよかったです。じまんのおねえちゃんです
麻衣「妹になってくれて、ありがとう」
のどか「お姉ちゃん……」
咲太「……(そういえば、ワイの妹も池沼だったンゴねぇ。まともなのはパッパだけンゴ)」
――本当に人生とはままならない。
 
――回想シーン
臨床心理士「妹さんは解離性障害です。言い換えるなら、きょげんへきのあるイケヌマです」
咲太「ンゴwwwなんで信じてくれないンゴ?」
臨床心理士「これが本当の意味での、ノーマライゼーションなんです」
咲太「……マッマも池沼になったンゴ」
咲太「とりあえず、池沼になった妹のニックネーム考えるンゴ。花楓でなく、ひらがなで『かえで』にするンゴwwwww」
――回想シーン終わり
咲太「麻衣さん、ご褒美」
麻衣「……」
麻衣「かえでちゃん、年頃なのにパンダのパジャマなんか着て」
咲太「……」
麻衣「私、大学行くの1年待とうかな」
咲太「は?」
咲太「麻衣さんの貴重な1年がもったいないとおもうんだけどなあ」
麻衣「咲太と過ごすために使う時間が、なんでもったいないのよ」
麻衣「学校って、ちょっと特殊よね。周囲との差や、違いが一番よくわかる環境ってことだと思わない?」
咲太「あ~、そういう意味か(かえでの池沼さが浮き彫りになるンゴねえwwwwwww)」
――回想シーン
翔子「わたしはね、咲太君。人生ってやさしくなるためにあるんだと思っています。やさしさにたどり着くために、わたしは今日を生きています。昨日のわたしよりも、今日のわたしがちょっとだけやさしい人間であればいいなと思いながら生きてます」
咲太「……(13条? 幸福追求権? 行政や国が憲法を守るのであってワイらには関係ないンゴよ。憲法は私人間には適用されないンゴよ)」
咲太「僕も翔子さんのように生きていいかな」
翔子「当たり前じゃないですか。人に理解されない苦しみを知った咲太君なら、きっと、誰よりもやさしくなれます。絶対に誰かの支えになってあげられます」
咲太「……(人権を不当に侵害されたンゴねえ。訴えるかwww)」
――回想シーン終わり
のどか「あのふたりって、変わってるよね?」
麻衣「私もおかしいと思ってたwwww池沼なんじゃないwww」
妹・かえで「ンゴwwwwwwヒッキー辞めるンゴwwwwパンダ見に行くンゴwwwwwダンパーwwwwダンパーwwwwwww」
かえで「ワイがヒッキーだとアニキが結婚できないンゴwwww」
かえで「明日こそwwwww明日こそwwww」
かえで「無理だったンゴwwww」
咲太「がんばるンゴwwwwwwww」
かえで「ダンパーwwwwwダンパーwwwwwww」
咲太「ダンパーwwwwwダンパーwwwwwww」
――迷子のお知らせいたします。身長は160センチ程度、髪の長い20代半ばくらいで、スケッチブックを持った成人女性にお心当たりのある方は、西園モノレール駅までお越しください
咲太「サムゲ荘のキムチな彼女がいるンゴねぇwwwwwwwwwww」
カウンセラー「まだまだ社会は未熟で、人の多様性を受け止めきれていないだけ……」
咲太「そんなことどうでもいいから、保健室登校でもマルしていいですか?」
カウンセラー「……マル?」
咲太「かえでが、できたこと、掲げた目標ができたかを、確認しているんですwwww」
カウンセラー「いいですよw(兄弟そろって、やべえ奴らだなw)」
花楓「戻ったンゴwwww」
咲太「ンゴwwwwwwかえでバイバイwwwwww」
咲太「翔子さんは未来から来たんですね」
――回想シーン
双葉「めっちゃ速く動くと逆に時間が遅くなるンゴねえ。時間とは比較で表現できるンゴよ」
咲太「ンゴ」
双葉「大人になることを望む翔子ちゃんと、大人になることを拒んだ翔子ちゃん。その後者の方……不安の正体が翔子ちゃんなんだと思う」
双葉「大人になることを拒んだ翔子ちゃんは、自分の時計の針をいつも必死に止めようとしてたんだと思う」
双葉「その結果、彼女の見る世界は本当にゆっくりになって、すべてがスローモーションで動くようになっていたのだとしたら? その世界のことを、大人になりたい翔子ちゃんや私たちがいるこのこの世界から見た場合、相対的にどうなると思う? つまり、大人になることを拒んだ翔子ちゃん……翔子さんのことだけど、彼女が見ている世界の時間が早く進んだ分だけ、私たちより先に未来にたどり着いたんだよ」
咲太「……(何いってるかわからないけど、とりあえず言わせておくかwww)」
――回想シーン終わり
咲太「翔子さんの胸には、僕の心臓があるんですね」
翔子「やっぱり、咲太君は気づくんですね」
翔子「わたしは、咲太君に未来をもらったんです」
咲太「ワイが死なないと翔子さんは助からないンゴwwwwwwwwトロッコ問題かなwwwwwww」
麻衣「私は咲太と未来の話をしていたいの」
咲太「……そうかもしれない。でも、人生が何のためにあるかを、翔子さんから教えてもらったンゴw翔子ちゃんの命を生きることを背負うンゴwワイの心臓を代償にしてw」
麻衣「私だけを見なさい、咲太」
麻衣「お願いだから……ずっとこのまま一緒にいて。ずっと側にいて。電車に乗って、行けるだけ遠くにいってよ……」
咲太「それ楽しいンゴねぇ……でも、明日も学校あるンゴwwwwwwww」
麻衣「休めばいい。この先はずっと一緒にいる」
咲太「自分に厳しくて、ワイにも厳しいようで、実は、かなり甘やかしてくれる麻衣さんが大好きンゴwwwwwご褒美ご褒美ご褒美wwwww」
咲太「僕はずっと麻衣さんを好きだから」
――クリスマスの飾りの煌びやかさが逆に暗い気持ちを照らし出してしまう。
咲太「ぼきゅは生きたいンゴwwwwwwwww」
咲太「ワイは交通事故で死ぬwwwwwwでも」
ドライバー「あっスリップしたwwwwwwヤベっwwwwwオイwwwwあのクソガキあんなとこにいるなよwwwww」
麻衣「咲太!」
咲太「雪がwwwwww雪がwwwwww赤いンゴwwwwww麻衣さんが死んじゃったンゴwwwww」
咲太「ンゴwwwwンゴwwwww」
翔子「そっか。咲太君はまだしらないんだね」
翔子「わたしのここにはね……麻衣さんの心臓があるんです」
咲太「じゃあ、未来は変わって……」
翔子「行きましょう。麻衣さんを助けに。過去に」
咲太「ワイも翔子さんと同じ思春期症候群の池沼になっていたンゴねえ」
咲太「保健室で寝てタイムリープするンゴ」
――1回目のタイムリープ
麻衣「別に私は咲太に幸せにしてもらわなくていいわよ」
咲太「……え?」
麻衣「ふたりで幸せになるの。私と咲太のふたりで」
――麻衣とふたりで幸せになる。その言葉があれば、迷いながらでも、悩みながらでも、最後は真っ直ぐに進んでいける気がした。ふたりの想いが重なっていれば、何があっても大丈夫だと思えた。
名残惜しさを感じながらも、咲太はゆっくりと麻衣から離れた。これ以上くっついていたら、この場から動けなくなってしまう。
すっと、ここで麻衣を感じていたいと思ってしまう。
もう一度、雪の降るあの場所へ行かなければならない。
咲太「全部、僕が持っていくから」
咲太「全部、未来にもっていくからさ」
麻衣「咲太がかっこいいことは、私だけが知っていればいいのよ」
咲太「ワイはもう幸せンゴwwwwこんな風に泣ける人間になれたンゴwwwww」
麻衣「だから、過去を変えてもいいよ」
麻衣「一度全部忘れて、もう一度最初からやり直すだけ」
咲太「そうですね。たったそれだけです」
麻衣「それから、もう一度咲太と出会って」
咲太「ンゴ」
麻衣「もう一度、咲太と恋をして」
咲太「ご褒美ご褒美ご褒美ご褒美ご褒美ご褒美ご褒美ご褒美ご褒美ご褒美ご褒美ご褒美」
麻衣「もう一度咲太に告白されるの」
咲太「必ず、麻衣さんを見つけるンゴwwwww」
麻衣「そしたら、ふたりで幸せになるわよ」
翔子「わたしがちゃんとやり直してきますから……わたしと咲太さんが出会わない未来を作るために……」
――ガンバッタネ
――ダイスキヲタイセツニシテイキテイク
――イツカヤサシイヒトナリタイデス
麻衣さん「がんばった翔子ちゃんを、咲太が褒めてあげて」
――震える指を、赤い鉛筆に伸ばす。全然ちゃんと握れない。それでも、歯を食いしばって指に力を込める。
 
咲太「大きなwwwwww大きなwwwwww花丸するンゴwwwww」
咲太「おおきなwwwwwwおおきなwwwwww花丸するンゴォォォwwwww」
――2度目のタイムリープ
麻衣「咲太?」
咲太「あの幼女……(もしかして、Air かな)」
――砂の上ではしゃいでいる少女を咲太は知っている気がした。迫ってきた波から逃げているその笑顔を……。楽しそうな笑い声を……。
動くたびに大きく揺れる長い髪を……。でも、思い出そうとしても何も思い出せない。
名前も。
どこで会ったのかも。
何もでてこない。どんなに考えても、頭の中に答えはなかった。見つけられなかった。
海の方を振り返る。
咲太「マキノハラサァァァァァアンwwwwww」
翔子「ハァァァイwwwwwwサクタサァァアアアアアンwwwww」
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