台風の被害 – 小室奎のブログ

台風の被害

沐浴ができるぐらいに街が水に浸ってしまった。

水と書いたが泥水である。

今回の災害で俺っちも財産の大半を失ったが、車や家をやられた村人も多い。

帰郷してきた頃、近所の老人に消防団に誘われたが断った。

「家が燃えても助けてやらねえぞ」「燃えても、オラには関係ないけど」と辛辣な物言いで脅されたのを覚えている。

「俺には関係ない」という酷薄さは、集落の人の悪さを体現したものだろう。

今回の災害で、その老人の家の1階が水に浸ってしまった。

避難できずにかわいそうなのでボートをこいで助けてやったが、

老人は複雑そうな顔をしていた。

やはり、人間は、「調子がいいときには調子に乗っておいて、調子が悪いときには黙っているのがいい」と痛感した。

隣に住んでいる田舎が好きでやってきたトウキョウモンは、今回の災害を経験し、「やっぱりこんな所、いられねえ」と言っていた。

「昔ながらの生活ができる時間が止まったような空間が好き」と言っていた気がする。

よくよく考えれば言っていなかった。

いま適当に書いた。

……トウキョウに帰るそうだ。

濁流が押し寄せてきたときは、我先に車を丘に避難させる自分本位な村人が多かった。

自然災害のときには本性が出るものだと思った。

いまの世の中は、「生きるのに必死だったんだよ」と言えば何でも許される気がする。

丘に車を停められず水に浸ってしまい廃車になったひともいるのである。

道は川になってしまいガソリンが流れているためか汚い。

この機に乗じて、川になった道路に家のゴミを捨てている村人もいた。

読者の皆さんは、対岸の火事でピンと来ないので難しいと思うが、

自分の大事なモンが敵にかすめとられる状況を想像してほしい。

自分の大事なモンが敵に破壊される状況を想像してほしい。

今日はボランティアに来た大学生と知り合ったが、就活のネタにするそうだ。

老人にこき使われ、嫌味を言われ、馬鹿にされ、嫌そうな顔をしていたが、理由はなんであれ行動に移すのは素晴らしいと思う。

誰かにボランティアをする姿を見て欲しいからボランティアをするのではない。

泥まみれの村が綺麗になっていく姿を見たいのである。

それが、社会貢献であるから――。

人は災害時にその人の「本性」がでる。

普段はガッチリと身につけている仮面がパラパラとはがれていき、醜悪な本性がでてくるのだ。

今回の災害ではたくさんの仮面が流れてしまった。

暴走する老人――怒鳴りつける老人――若者を蹴落として助かろうとする老人――。

たくさんの老害が跳梁跋扈した。

「俺には関係ない」は唾棄すべきものなのである。

今回のケースでは学べたことが多い。

自分のネジを巻き直していきたいと思った。

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