俺っちは、CPU にサーマルグリスを遮二無二ぬってきたが、
先日、炭素繊維で作られたサーマルパッド(シート)があることを知った。
熱伝導率は 62 ぐらいあり、
いままで熱伝導率 10 程度のグリスのを使ってきた身からすると、
刮目すべき衝撃のスペックだ。
恥ずかしながら「削った鉛筆の黒鉛をグリスに混ぜればいいんじゃねえの?」と、
半信半疑なキモチから適当なことをほざいていたが、
このたび、一消費者として購入することになった。
thermal grizzly (サーマルグリズリー)というドイツの会社の、
サーマルパッド・「 Carbonaut (カーボナウト)」である。
日本では代理店である親和産業が販売している。
Carbonaut は、炭素線維から作られている。
原子番号6番のあの炭素( 12C )だ。
宇宙線が CPU に影響を与えるそうだが、
それもシャットアウトできるらしい。
知人が言っていた。
シートの大きさが現行の LGA 1700に対応していないのが懸念か。
また、AMD の寸法のモノもラインナップされている。
付属のクイックスタートガイドに目を通してみる。
必要であれば、ハサミで切れと書いてある。
「密着性」という文言が光るが、
その密着性については特に言及されていない。
間隙なく、ヒートシンクと密着させることが重要なのは推しはかれる。
紙の箱に Carbonaut が入っている。
0.2ミリと非常に薄く、破れてしまいそうだ。
破ったヤツがいると思う^ー^
なぜ 0.2 ミリなのか? 2枚重ねで使うとどうなるのか? と、
果てしのない疑問がわいてくる。
グリスは1年ぐらい塗りかえていないと思う。
無水エタノールで拭った。
グリスは塗り替えないと、いくつか問題があることが知られている。

ヒートスプレッタの上に Carbonaut を置いてみる。
Carbonaut はズレやすいので、扱いが難しい^ー^
はみでた部分は切ったほうがいいかもしれない。
ベンチマークソフトで CPU に負荷をかけ、
グリスと Carbonaut を比較した。
まず、一般的なグリスの際した簡易的な温度をソフトで見てみよう。
アイドルが32度であり、100% では94度のコアもある。
続いて、Carbonaut だ。
アイドルでもグリスと比べて3度ぐらい冷えている。
100%の場合では、2度も違うコアが散見された。
以上の結果より、Carbonaut は冷却に寄与しているといえ、
グリスを塗らなくて良いと解して良いだろう。
ドイツの連綿と続くクラフトマンシップを感じた。
Carbonaut は破れやすいのと、
これからの Intel CPU の大きさに対応していないのが欠点だろうか。
そこらへんは、エンドユーザーで工夫しろということなのだろう^ー^
Carbonaut は2000円ぐらいするが、
グリスを塗布しなくて良いと考えるとランニングコストにも優れる。
また、グリスとは異なり、経年劣化もしづらいだろう。
ラップトップやタブレットにも Carbonaut をインストールしたいところだ。
PS5 にも取り付けようとしているユーザーもいる。
生産が終了する前にいくつかストックしたい PC パーツである。
Carbonaut をインストールしてしまうと、
もはや PC ケースの扉を開けることは向こう数年ない気がする……。
PC の構成を変えずに長年つかうユーザーに向けた商品ともいえるのではないか。
パナソニックのグラファイトシートも検証したいところだ。



Carbonaut は、
CPUのヒートスプレッタの大きさに裁断されて売られている。
現行の LGA1700
i7 2600K, i7 4790K とかの、
LGA1155, LGA1150, LGA1151 ぐらいまでは、
32×32 の大きさである。
TG-CA-32-32-02-R
i7 5820K とかの LGA2011 系統は 38x38 のこちらである。
TG-CA-38-38-02-R
LGA1200とかもTR4 向け( 51 x 68 )のモノを切って使おう。
現行の LGA1700 も切って使おう。
TG-CA-51-68-02-R
AM5 とかも TR4 向けの寸法のものを切って使おう^ー^
TG-CA-51-68-02-R