映画 冴えカノ 感想
「冴えない彼女の育てかた」なのか「冴えない彼氏の育てかた」なのか「冴えない彼女(ヒロイン)の育てかた coda」なのか知らんけど、
劇場版の冴えカノを観てきました。
ガールズサイドの内容を含めながらアレンジしつつも原作のラストまで駆け足でやります。
主人公の倫也くんとメインヒロインの恵さんにフォーカスを当て、他のキャラの話は削った感じです(9巻、10巻は大体カットされています)。
チケット代は2000円もしたんで、ジョーカーかプリキュアを観たほうがいいと思いますけど、
来場者特典の色紙と冊子を売れば、まあまあ映画代を回収できそうだし、
「サイトのネタにもなるし、まぁいっか」と自分に言いきかせて頑張って見ることにしました。
冴えないオタクどころか、俺っちは冴えない一般人なわけで、
客がオタクしかいないオタク率100パーの映画を見るのは、すげえ抵抗がありました。
案の定、劇場はオスのキモオタが9割で、両隣の席もキモオタでした。
キモオタ達にサンドイッチにされる、あわれな俺っち。
かわいそう^ー^
幕が上がる前から帰りたかったです。
上映時間は2時間もあるのかよ。
普段はアニメとか見ないんで、2時間とかきついっすよ。
原作小説は Girls Side, FD, Memorial を含めて読んでいるので話は知っています。
ちなみにアニメの方の冴えカノは1秒も見てないです。
原作のイラストばかりを見てきたのでアニメの絵は違和感がありますね。
オープニングからキモオタソングをかきならします。
帰りたいです。
はじめは焼肉屋のシーンですね。
萌えキャラの顔面ドアップです。
それから、キモオタのオナニーと紅坂 朱音(こうさか あかね)が連呼するシーンがありました。
そこで、紅坂 朱音がコップを掴もうとして違和感を覚えるシーンがあります。
これは、脳梗塞になる前兆ってことですが、
原作ライトノベルを読んでいるので、そんなシーンすら見る必要がありませんでした。
メタっていうかそれを超えてますよね。
ネタバレどころか、話を、結末を、知っているんだから。
なんかダイジェストを見ている感じですよね。
あとなんかすげえ電通のアニメっぽい。
加藤の誕生日を祝うケーキのシーンで、
加藤が口パクで「ともやくん」といい、安芸 倫也くんも口パクで「めぐみ」と、お互いの名前を呼んでいましたね^ー^
駅前の恋人つなぎをしているシーンの加藤のツメより、風呂あがりのツメの方が綺麗に描かれていて、逆だろと思いました。
俺っちは、この映画をみても「絶対、泣かねーだろ」って思ってたんですが、思わず泣いてしまいました。
オタクじゃないのに。
原作の内容は知っているのに。
予習済みなのに。
カタルシスを抜きに泣けるシーンが結構あるなぁって思いました。
脚本(ホン)読みのシーンなどでの巡璃と恵のリンクの表現も見事です。
映画館で泣いているキモオタが結構いたんで、
まぁ俺っちひとりがモイ泣きしたところで問題ないです。
安芸家の前で、えりりが涙ながらに告白するシーンの、
「ねぇ倫也! あんた、あたしのこと、好きだったー? 10年前、好きだったー?」
「そんなの、知るかぁ」
で不覚にも泣いてしまったんですけど(小説でもなぜかモイ泣きしてしまった)、
マルズと交渉しに大阪に行くため駅前で加藤と別れるシーンですね。
なぜか知らんけど、万感の思いでモイ泣きしてしまいました。
そうですね。
思い出したんですよ。
走馬灯のようにね。
!?
WA2における作中屈指の名シーン――喫茶店の窓ガラスをコンコンです。
???「雪菜が、笑顔で手を振っていた」
???「その笑顔が、その笑顔こそが……俺を必死で救ってくれようとする、その優しさが……」
???「やっぱり、これからもずっと……俺の、深い記憶の溝に刻まれていくんだと思う」
俺っち「せっちゃん……」
俺っち「せっちゃん!」
『WHITE ALBUM2』と『冴えない彼女の育てかた』は登場人物の性質が非常に良く似ていて、
作品のストーリー自体も、ホワルバの改良版が冴えカノなんですよね。
舞台装置をみても学園祭でライブをやるのとコミックマーケットで美少女ゲームを売るのは本質的には同じです。
LINEやメールのやりとりのシーンなんかもです。
冴えないヒロインよりホワイトアルバムツー(WA2)の方が面白いって言っているキモオタがいますけど、
ぶっちゃけると、冴えカノの方が面白いですね。
で、加藤 恵は小木曽 雪菜(おぎそ せつな)なんですよね。
ンゴ(英梨々)は、かずさだし、
佳境で紅坂 朱音にンゴが引き抜かれるのは、紅坂の役割が冬馬 曜子だからです。
で、原作の終盤はかなり長かった気がしますが、
映画の方は簡潔にまとまっていました。
原作13巻のラストでは、
いつか皆で誰もがキュンキュンする最強の美少女ゲームを作ると夢を語ります。
まぁ、この作品ってキモオタの憧憬ですよね。
???「俺と、恵と、英梨々と、詩羽先輩と、美智留と、出海ちゃんと、伊織の……新旧メンバー是認が揃った、本物の、本気の、完全無欠のチームだよ」
加藤 恵の名言が劇場で再現される!
Girls Side 3 の内容だったと思いますが、
「倫也くんは、ものすごく特別な人だったかもしれない。けれどわたしには、全然特別じゃなかった。普通だった。だからこそ、わたしは、彼がいいな……って思った」
「納得できないかもしれない。わたしに反感を持つかもしれない。でも……しらないよ、そんなの」
が再現されていましたね。
「でも……しらないよ、そんなの」ですよ。
この場面で加藤さんは泣いていましたが、俺っちも感涙してしまいました。
まぁ、原作ラノベの方が泣けるけど。
まぁ、映画館内で寝ている奴もいたけど。
冴えない彼女の育てかた Memorial
原作13巻の後に発売されたのがメモリアルですね。
重要な描き下ろし小説があったりします。
実は豊ヶ崎学園の入学試験のときからともやくんは加藤と会っていたみたいです。
しかも、恵さんは入試の頃から倫也君を気にかけていたようで助けてくれたんですね。
ここは、映画でも回想シーンなんかでやってほしかったですね。
坂どころか入試で気になっていたんです。
考えようによっては、ずっと加藤に操られていたことになります。
13巻ラストでも「俺のことを完全に把握して手のひらで転がしている」って書かれてますしね。
映画では原作の続きが描かれる! 刮目せよ、オタク。
で、なんと映画では未来が描かれていました。
エンディングの続きのエピローグってやつです。
幸せへと続く道みたいな?
社会人になったともやくんはゲームの会社を起こします。
会社名はもちろん、(株)blessing software です。
ともやくんは社長、加藤は副社長(副代表兼ディレクター)です。
2人一緒に暮らしているらしく、表札は加藤だけしか読めませんでした。
このカットは一瞬なんで、劇場に行って、その目で確かめてください。
会社は隣の部屋でブレッシングソフトウェアってなってました。
よく見ると加藤さんは指輪をしているので見てみましょう。
ンゴが「この食器、ともやの趣味じゃないでしょ」と言っているので結婚間近かな?
みんな集まって、鍋をつっつきながら、念願のゲームをつくろうって終わりです。
ジュースではなく、お酒になっているのも成長が感じられますね。
まぁ、このシーンを想像してください。
「かんぱーい」ですよ?
泣けますね。
缶ビールを開ける音がきこえてくるのもエモいです。
加藤との待ち合わせ場所は池袋の駅前なので、
夜にグランドシネマサンシャインで鑑賞すれば、
帰りの駅前で感慨に浸れますよ。
劇場アニメ 『冴えない彼女の育てかた Fine(さえないヒロインのそだてかた フィーネ)』 来場者特典
週ごとに貰える書き下ろし小説の内容が変わります。
全部で7種類あるようですね。
1年後から6年後まで描かれます。
7周目の内容は非公開になっています。
非公開の7周目は、おそらく結婚前夜か結婚式の内容なんでしょうけど、
そうすると、後からハマったときに集めるのが大変ですね。
映画のパンフレットに小説が書かれていた方が救いがあったかもしれません。
例えば、今から『機動戦艦ナデシコ』に夢中になったとして、
来場者しかもらえない特典小説より、小説がついているプリンスオブダークネスの映画のパンフを揃えた方が楽じゃないですか。
劇場に足しげく通って揃えるのもいいですが、
メルカリなどのフリマサイトやネットオークションで手に入れたり、オタクからもらったりするのもいいでしょう。
特典だけもらって帰るのもいいんじゃないでしょうか。
開始10分ぐらいで帰ったオタクもいましたし。
俺っちとしては、6周目と7周目の内容が気になりますね。
冊子は、どこぞの4ページのSSと違って20ページぐらいあります。
全部をそろえたら、スキャンするなりして売ればいいんじゃないでしょうか。
入場特典の色紙は、加藤だと3000円ぐらいで取引されるようです。
特典小説の Two years later の内容をかいつまんで話をします。
高校卒業から2年後の成人式ですね。
ちなみに原作開始時期(2012年)を基準にすると、劇場版のエピローグは2019年ということになるそうです。
とすれば、エピローグのともやくんたちは24歳ぐらいかな?
7年という月日がうまく表現されているのも見事です。
これは、学生から社会人になるには十分な月日で、サエカノが「青春」になっている人も多いんじゃないかと思います。
社会人の方も、青春を上書きできるのでオススメですね。
人生の1度の青春より、50回やった美少女ゲームの青春ですからね。
それを考えると7年分の紆余曲折があるので、色紙に書かれている、 Thank you for coming は胸に来るものがあります。
「今日、ここにいるみんなは知らないんだね……英梨々が、あの、『フィールズクロニクル』や『世界で一番大切な、私のものじゃない君へ』の柏木エリだって」
「知られてたまりますかって……そうでなくても今日一日で何人の男に声掛けられたか」
「相変わらず、人気だね、英梨々は」
「恵だって相変わらず結構人気じゃない。10人以上には声掛けられてたでしょ?」
「わたしの場合、多分、ハードル低そうって思われてるからだけどね」
「違う違う、高校時代から隠れファン多かったのよ、恵は」「そうかなあ? あの頃は男子から声掛けられることなんてあんまり……」
「いっつも変なのがまとわりついてせいで、誰も近寄れなかったのよ」
「あ、あ~」
2人が会ったのは2年ぶりだそうです。
大学生のともやくんは、blessing software の商業化を狙っているそう。
blessing software をゲームメーカーにしたいそうですね。
こんな感じの内容です。
映画を観た人は、原作小説を読むといいんじゃないでしょうか。
まぁ、個人的には、
加藤の姉や両親、ともやくんの両親の登場がなかったのが残念で、
※FD2 によると、加藤 恵さんが嘘をついて、ともや君と外泊しているのは親にバレているみたいです。
一番は、
相楽 真由さん、なんでアンタでないの?
原作小説を読み終わったら、漫画の『冴えない彼女の育てかた 恋するメトロノーム』を読むといいですよ。
原作小説も金曜の夜から土日にかけて読めるので、日曜日に夜の劇場に足を運んでみては?
もちろん、劇場映画を鑑賞してから、原作を読んでも楽しめます。
二次元のキャラクターですが、まるで生きているかのように感じられ、
人生すらも表現した『冴えない彼女の育てかた』は感動しました。
そうした少年少女の「青さ」を表現したライトノベルだと思います。
加藤 恵さんの可愛さについて
加藤恵さんの人間味のある可愛さというのは研究の末に出来たみたいですね。
恵はいろいろなキャラクター的な記号をそぎ落とした結果、
それでもかわいく見えるようにデザインしたつもりです。
「冴えない」って言っても、かわいくないと売れないじゃないですか。
恵のボブカットは、当時は女の子の集団のなかで、どんな子が目立つのかというのを研究しようと思って、
アイドルをよく観察していたんです。
すると、髪の長い子 や染めている子とかよりも、
ボブカットの子の方が個人的には目に留まりやすくて。
そのあたりも参考にして恵はできあがったと思います。
そういう意味ではトレンドの先読みができたと思います。
どこに書かれていたか覚えてないですけど、『生徒会の一存』みたいなテンポのよい会話劇な作品を作りたかったらしいですよ。
原作でもアニメでも、恵のキャラクター性は時系列によって全然違うんですよね。
それで何が難しいって、今回はこのあたりの頃のエピソードを書いてくださいと、特定の時系列の頃の話をお願いされる場合があるんですよ。
「冴えカノ」の時系列にあわせて恵の印象は全部違うので、「この頃の恵はこうだった」って自分のなかで組んでおかないと、
その印象が時系列的に正しいのかわからなくなってくるんです。
だから、「冴えカノ」は 高校二年の四月から三年の三月あたりまでの物語ですけど、その約二年間のどの時期のエピソード を書くのかをしっかり特定する。
そこが執筆する際に心がけていたことですね。
倫也との関係だけでなく、いろんなことで恵というキャラクターはかなり変わっていますからね。
ほかのキャラクターは、芯は変わってないんですよ。
例えば英梨々と詩羽は関係性が変わっていったように見えますけ ど、あれって実は最初からお互いをリスペクトし ているんですよね。
倫也への感情も同じで、物語の開始時点からほとんど変わっていないんです。
恵だけはみんなとの関わりかたや、自分の心の持ちようとかが変わってきましたから。
アニメが始まって恵の人気が出てきて、
なんてオタクが喜びそうなヒロインだと言われたときに、ハッとしたんです。
そういうつもりで書いたわけじゃ ないのに、そう思われることもあるんだって。
それならそのオタクに対しての理想的なヒロインに、 オタクが攻略されるっていうのでもいいじゃないか と思ったんです。
実際、終盤の倫也はそんなところもありますし。あのあたりは書いている僕が、
だんだんと恵に自分の欲望を露出させていったというか。恵に対して僕は最初、色気とかはまったく感じていなかったんですが、恵を攻略したいと 思うようになってきたんですよね。
攻略するってことは、こちらの気持ちに相手が応えてくれるっ てことじゃないですか。
こう応えてくれるといいなっていう、そんな妄想がふくらんでいった。