『色づく世界の明日から』の視聴方法

感動した。

人には言わないが、P.A.WORKS では最高傑作だと思っている。

考察するなら話自体は、『true tears』が素晴らしい。

感動したという観点から評価したならば、『色づく世界の明日から』である。

ただ、世間の評価はかんばしくない。

同時期に放送していたアニメにグリッドマンやあかねさす少女があったからなのかもしれない。

友人に感想を訊くと「作画や背景は綺麗でヒロインのキャラデザもいいが5話ぐらいで見るのを辞めた」という。

思うに「瞳美ちゃん可愛いな。でも、あさぎちゃんの方が、はつらつとしていて可愛いな。あさぎちゃんチュッチュッしたいンゴ。あっでもクソアニメだから切るわ」といった感想を抱き、

視聴を断念するのではないか。

どんなひとでも結末は素晴らしいと感じるはずなのにもったいない。

確かに、序盤は単調で面白くないし、つまらないという印象を受けると思う。

だが、思い返せば、私たちの高校生活も起伏がない平坦な毎日だったのではないか?

最終回で泣きたい……感涙にむせびたい……堰を切ったようにアウアウ嗚咽をあげながら、モイモイと号哭・慟哭するには、

特殊な視聴をすればいいことに気がついた。

今回はそれについて書こうと思う。

1周目は、第1話、第2話、第4話、第6話、第10話、第11話、第12話、第13話(最終話)を見る。

祖母・月白 琥珀(つきしろ こはく)に言われ、

主人公・月白 瞳美(つきしろ ひとみ)は60年前の2018年に時間遡行をする。

そして、2018年の高校時代の祖母に会うわけだ。そこから最終回およびラストで2078年に戻る。

琥珀は1話の時点で物語のあらましを知っているわけで、

私たちもこれから1クールを見ることで全貌を知るのである。

だが、細かいことは歳をとるにつれ忘れるだろう。

つまり、歳をとった祖母を同じ視点から物語を楽しむためには、

話を切り捨てて観ても問題ないわけだ。

骨子だけ押さえた視聴法である。

1周目は、このようになる。

2倍速で見ても構わない。

もっと詰めれば最適な視聴法が割り出せると思っている。

1周目

第1話、第2話、第4話、第6話、第10話、第11話、第12話、第13話(最終話)

1周目が終わったら、2周目は1話から13話まで通しで見る。

結末は知っているわけだが、これでいい。

いや、「これ」がいい。

こうすれば、魔法を使えない私たちでもタイムリープができる。

話を増すごとに、虹色の青春が心を駆け抜けていくと思う。

2周目

全て。

3周目は生きているか怪しいが、2078年に観る。

作品のターゲット層は15歳程度を対象にしたジュブナイルだ。

15歳でこのアニメを視聴した人は75歳で鑑賞するといいだろう。

わたしたちも人生を振り返り、自分の色がわかるのではないか。

3周目

生きていたら2078年9月19日に観る。

あらすじ

1話『キミノイクベキトコロ』

時間遡行をする話の導入回なので切れない。

  • 時間魔法
  • 高校2年生の祖母に会いに行く
  • ひとみを逸らさないこと(最終話で老婆になった琥珀(こはく)から『見てきたのね。ひとみを逸らさずに』といわれる)
  • アズライトのイヤリング(耳飾り)を唯翔くん(ゆいと)のベッドの下に落としてしまう。
  • 瞳美は色が見えず鈍色の世界にいるが唯翔くんの絵だけは色づいて見えた。

バスにも仕掛けがあるみたいだ。

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2話『 魔法なんて大キライ』

学校に転入する話なので切れない。

  • 耳飾りを返してもらえる。
  • 60年前の南ヶ丘高等学校に編入する。

???「あの絵は私に忘れていた色を見せてくれました。灰色だった私の世界に一瞬、光が差したんです」

4話『おばあちゃんはヤメテ!』

琥珀が留学から帰ってくる話なので切れない。

  • 琥珀が留学から戻ってくる
  • 2年7組
  • 未来からきたことを話す
  • 魔法写真美術を結成
「先のことなんてわからない方がワクワクすると思わない?」
「雰囲気あるよね。モノクロって」
「わたしにとってはいつもと変わらないので。よくわからないですけど」
「モノクロ写真って水墨画と同じで色彩がない分、みている人のイメージが広がるような気がする。色が少ない方が大事なものがよくわかるのかもしれない」
「わたしは皆の笑顔がみたいの。魔法でたくさんの幸せな笑顔を届けたい。せっかく神様から授かった力だもの。世界にお返ししなきゃね」
「わたしはそんな風にできない。魔法は好きじゃないし」
「きっといつか好きになれる。だって瞳美は私の孫でしょう」
「わたし、未来から来たんです」

6話『金色のサカナ』
  • 授業で描いた絵ではじめて賞をとった
  • ハリネズミのジレンマ(ヤマアラシのジレンマ)
  • 金色の魚は、夢や憧憬の暗喩
  • 金色の魚は、アニマやアニムス
撮影会候補(長崎)
グラバー園
影というのは自分自身が抑圧している部分である。
10話『モノクロのクレヨン』
  • 魔法で牧歌的な翔くんの絵の中に入る催しを文化祭でやることに
  • 瞳美の母は魔法が使えなかった。
「見てもらいたいです。この世界を。わたしに世界には色があふれてるって思い出させてくれたユイトさんの絵を、もっと」
本棚にささってある本に注目したい。
『いばら姫』である。
このときの唯翔君の眼差しに注目したい。
11話『欠けていく月』
月の公転周期は27.3日。
瞳美が突然消えたり、数分後にまた現れたりするようになる。
琥珀は、ロンドンの特殊時空魔法学のアトリー先生にメールを送る。
時間魔法は永続的な拘束力はなく必ず歴史修正力の影響を受ける(英文では、magic for time travel is not in effect for permanence, and it is definitely affected by History fixing force)。
きざしが見えたら手を打たないと時の間《ときのあわい》(英語ではtime and space)に閉じ込められてしまう。
時間魔法をやることに。
魔法で紙飛行機を飛ばす。
部屋の照明でモールス信号をやる興味深いシーンがある。
12話『光る光る この一日が光る』
「誰かのために描くというのもすごいいいことだと思うよ。これから君の絵にいい影響を与えてくれるんじゃないかな」
「誰かのため……」
「ドキドキするの。うれしくてあたたかい。懐かしいキモチ」
「それって幸せなんじゃない」
瞳美が色を取り戻すように
「みんなと一緒に見た花火が、小さいころに母と見た花火よりも、ずっとずっと綺麗に思えた」
ちなみにこのシーンは、俺っちも泣いていたので花火がにじんで見えた。
13話(最終回)『色づく世界の明日から』
涙なしでは見れない最高の結末である。
一人で描くのが好きだった。
未来に送り出すシーン
「俺は、瞳美に会って……」
「勝手な思い込みで自分を追い詰めるのはやめようって……きっとキモチひとつで世界は……」
「あのとき……俺が小さな瞳美に伝えたかったこと……自分を閉じ込めないで欲しかった。諦めないでほしかった……同じじゃないのか俺も……自分のキモチを無理やり閉じ込めて」
「わたしの『これから』に魔法をかけてくれた」
「俺もだよ。本当は絵を描く道はあきらめようと思ってたんだ。けれど、瞳美に会って気持ちが変わった。ひとに喜んでもらうこととか絵を描く楽しさとかそういうことを思い出したんだ。自分を閉じこめていたのは俺だって同じ。瞳美が俺の絵に光を差してくれたんだ。俺たちはお互いの未来に『色』をとり戻すために出会えた」
「瞳美の無意識の魔法が解けることが旅のリミットだったんだ」
「わたしお母さんを探して会いにいきたい。琥珀と一緒に」
「60年前のこと全部わかっててて送り出してくれたの?」
「世界にはこんなに、いろんな色があったんだなぁ。それからふと考えました。わたしの色は何色かしら」
77歳になった琥珀から魔法でラインが届く。
瞳美が幼いころに読んだ絵本・『なないろのペンギン』はゆいと君が描いた作品だった。
虹は7色だが部員も7人なのだ。
「わたしの色は何色かしら」
モノクロだったと思っていた自分が七色だと知るのだ。
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