動物を戦わせる競技の頂点を目指すサトシ君とユーチューバーを目指すセレナ嬢のダブル主人公を基軸にしたストーリーでかなり面白かった。
幼い頃にセレナとサトシ君は出会っており、その頃からセレナはサトシ君が好きという設定である。
第9話の「オレの相手はシトロイドじゃなくてシトロンだ」は名ゼリフである。
第55話にて、ようわからん動物で戦った理由は、ひとの気持ちがわかる動物だからである。
第62話は、セレナのユーチューバーデビューである。
しかし、キツネをデコりすぎたため負けてしまう。
優勝は逃すが、髪を切り、過去を払拭する神回となっている。
ポケモンXYは捨て回がない。
第37話の鏡の国の話や75話の洋館の話、84話のタイムスリップする話などが楽しめた。
第88話ではセレナが飼い慣らしている、ききわけの悪いキモオタみたいなキツネに老害が指導をかます。
???「道具を大切にする気持ちはとても大切だが……何事も拘りすぎるのは、あまりよいことではない」
老害にしては素晴らしいことを言っていて、思わず老師か!? と思った。
老人は、わめいている印象しかないので感動した。
92話ではセレナが池沼のイーブイを捕獲。
94話の池沼すぎるがゆえに椅子の下に逃げたこのシーンはツボだった。
俺っちも椅子の下にうずくまりながら、「ぶぃーぶぃー」って鳴き声を出していたら、家族にすごい目で見られた。
ドリドリはセレナの方が好みである。
しょこたんのCDは買っていない。
サトシ君の飼っている鳥がどんどん大きくなり、また臭そうになっていく姿は、目を見張るものがあった。
話をするのを忘れていた。
先ほどダブル主人公と言ったが、トリプル主人公かもしれない。
名前はアラン。
こいつは端的に言って「なろうの主人公」である。
言うならば、サトシ君は前時代の主人公である。
英雄伝ワタルのワタルなのである。
「90年代の主人公 vs なろう主人公」が作品の裏テーマかもしれない。
ちなみに博士は研究することがないので暇である。
「メガシンカ」とやらの研究も一般人より遅れており、
助手も信用できないから報告しないのである。
だって、自分が見つけたとかいって手柄を横取りされそうだし^ー^
子供のキャンプに行くほど暇でフィールドワークもほとんどやっていない。
安楽椅子の人類学者である。
プニちゃんの歌を歌っていた歳のわりに達観しすぎるシトロンの妹も、
3回目ぐらいで「どうしたの?」と言われてから歌わなくなる。
精神年齢が高い登場人物ばかりなので、子供らしさは動物が担当しているのも今作の魅力である。
Z6話~7話 サトシ君はカエルの伝説をきく。
……カエルと合体する。かなりアツイ。
Z8話のユーチューバー戦で池沼のイーブイが転落する。
演技失敗である。
Z第20話でセレナ嬢は芸能界に誘われるが、ひとまず保留にする。
オタクはたぶんZ 22話が好みなんだろう。知らんけど。
Z 23話でサトシ君は人間をやめると決意。
スクライドよりアツいかもしれない。
???「オレはゲッコウガになる」
???「今度はオレが強くなる番だ」
よくよく見ると、Z 25話の時点でカエルと走るスピードが同速なのがわかる。
白服の熟練者を押し切るようになる。かなりの強さである。
この時点で作中屈指の実力者ではないだろうか。
なろう主人公・アランに勝てるかもしれないと思った。
Z 26話で自分の戦術をコピーしてきたクソガキにシンクロ失敗して負ける。
写し鏡との戦い。ブラックガルダイーグルとの戦いのように。
27話では老害に負け、連敗続きの反動から自分を見失ってしまう。
老害がいう「水のように器に合わせ、形を変えても本質は変えない」は心に響いた。
第28話で初めてひとに……セレナに当たってしまう。
「今のサトシなんて、ちっともサトシじゃない」
サトシ君はセレナとケンカをする。
ここでサトシ君は自身の本質を見失っていたと痛感する。
吹雪の山の中で過去を回想する。
動物と触れ合うのが大好きだった幼少時代……、
その、きらめきを、だ。
嵐がすぎる頃には、葛藤を克服したようだ。
???「隣を見たら仲間がいる……大好きな仲間がさ」
前回の「水のように器に合わせ、形を変えても本質は変えない」の解答になっている。
大好きな仲間を大切にするのがサトシ君の本質なのだ。
31話は発明の話。
TVアニメ『ふしぎの海のナディア』のジャンとハンソンのよう。
32話からインターハイが開幕する。
35話でクソガキを撃破。
決勝まで勝ち進む。
そして、なろうの権化との戦い。
これ以降はアランが属していた組織との戦い。
自分が所属する組織が社会悪だと知ったとき人はどうなるのだろうか。
社会貢献していたと思っていたのに社会を破壊する側だったとしたら……。
悲しみは計り知れないだろう。
45話で芸能界ではなく、ユーチューバーとして生きていくと宣言するセレナ。
自分を見つけるために旅をして、さらに旅をする。
進化していく自分から目を離せないからである。
そんな世界がギュンギュンと広がっていくのだから、ドキドキはとまらない。
奏功が功を奏して奏功していくのだから。
???「もっと色んな人に見てもらいたい。それが私たちのパフォーマンスを成長させてくれる……、そう思ったんです。そこにはきっと、わたしたちを一回りも二回りも成長させてくれるものがあると信じて……」
???「言ってなかったかしら、わたし、貴方のファンなのよ」
???「はい……必ず伺います」
47話は涙なしでは見れなかった。
「サトシ……、私、旅に出て本当に良かった。貴方は私の目標よ」
このセリフは、カレイドスターの登場人物・レイラ嬢の「誇りよ」に匹敵するレベルで泣けた。
総括
全部で150話ぐらいあったが、まるで旅のようであった。
また、ポケモンアニメ(アニポケ)を舐めていたと痛感した。
冒険譚としても群像劇としてもトップクラスである。
映画はそこそこ見ていて、
ミュウツーの逆襲のテーマは、レゾンデートルの証明だろうし、
水の都の護神は自己犠牲だろう。
トップユーチューバーを目指し、スターダムにのし上がるセレナの生き様は、
『カレイドスター』を彷彿させるものがあった。
インターハイの頂を掴もうとするサトシ君の旅には、
『スクライド』などの従来の熱血アニメと勝るとも劣らないアツさがあり、血潮がたぎった。
バトルアニメならひとつの到達点だろう。
また、それらと相対する「なろう主人公」を倒すといった姿勢をも感じた。
ポケモンXYは、少年少女が求める夢の結晶なのかもしれない。
いや、男性でも女性でもフェミニストでも間違いなく楽しめる。
どこか普遍的なのかもしれないが、いつの時代も我々が求めているものだと思う。
そうした要素を凝縮したポケモンXYは誰が見ても面白いと感じるハズだ。
次はオマエっちが見る番だ。
文句なしの感動が待っていると思う。
Amazon のレビューでは最高の一言が押し寄せる。
アマゾンプライムビデオ(Dアニメストアを除いた)のアニメに限るなら最高傑作といって良いだろう。
???「アマプラでオススメのアニメを教えてくれ」
――ポケモンXYである。
『ポケットモンスター(2019)』の105話でセレナが再登場した。
今のセレナは、ホウエン地方で耳目を集めるユーチューバーならしい。
???「今では見ているヒトに力を与えられるようなパフォーマーになりたい!」
???「迷っているなら、まず動いてみる……失敗したって何かが残るし、無駄なことなんて何もないと思うよ!」
先輩風を吹かせまくるセレナ嬢である。
別人じゃねえか。
???「迷ったときは?」
???「まずは動いてみる……だよね」
???「サトシ!」
サトシくんとの再会はわずかな時間であったが、
最強のパフォーマーになるとサトシくんに伝える。